2026年5月20日。
退院後、初めての外来診察の日を迎えました。
病院の前に到着すると、ふと入院中のことを思い出しました。
2週間ほど前まで、自分はこの病院に入院していた。
あの窓のあたりから、外を眺めていたのかもしれない。
そんなことを考えながら、病院の中へ入りました。
この日の予定は、まず血液検査。
その後に栄養指導を受け、最後に外科の診察を受ける流れでした。
まずは採血室へ向かいます。
午前中の採血室は、本当に混んでいました。
100人待ちくらいは当たり前という感じです。
順番はどんどん進んでいくものの、それでもかなり待ちます。
「栄養指導の時間までに終わるだろうか」
少し心配になりましたが、1時間ほど待って、なんとかギリギリ栄養指導の時間に間に合いました。
栄養指導では、退院後の食事について説明を受けました。
基本的には、食べてはいけないものは特にないとのことでした。
ただし、胃が小さくなっているため、よく噛んで、ゆっくり食べることが大切だと説明されました。
急いで食べたり、一度に多く食べたりすると、血糖値が急に上がったり下がったりする「ダンピング症状」が出ることがあるそうです。
このときは説明として聞いていましたが、実際にはこのあと、私は何度もダンピングのような症状を経験することになります。
栄養指導を終えると、予約時間ギリギリで外科外来に到着しました。
この日のメインは、ここからです。
手術で取った部分の詳しい検査結果。
そして、今後の治療方針。
それを聞く日でした。
診察の前には、またChatGPTにもいろいろ聞いていました。
今後の治療方針として、どのような可能性があるのか。
抗がん剤治療が必要になる場合はあるのか。
もし必要になった場合、飲み薬の治療もあるのか。
副作用の不安はありましたが、ある程度の可能性を頭に入れて、心の準備をしていました。
番号が呼ばれるまでの時間は、少し緊張していました。
スマホを見る気にもなれず、ただそわそわしながら待っていました。
そして、ついに自分の番号が表示されました。
診察室に入ると、いつも通り主治医の先生が座っていました。
横にはモニターが3つ並んでいます。
そのうちのひとつには、数時間前に受けた血液検査の結果が表示されていました。
先生はその結果を印刷し、いくつかの数値にマーカーを付けながら説明してくれました。
「問題なく、順調に回復しています」
その言葉を聞いて、まず少し安心しました。
そして、いよいよ手術で取った部分の検査結果について説明が始まりました。
先生は画面に表示された結果を示しながら、
pT1b(SM3)
と説明されました。
要するに癌は、粘膜下層の深い部分まで浸潤していたとのことでした。
そのため、やはり内視鏡で切除するのは難しい状態であり、手術をして良かったと思います、という説明でした。
あのとき内視鏡手術が中止になり、外科手術に切り替わったこと。
その判断は、結果的に必要なものだったのだと分かりました。
続いて、転移についての説明がありました。
リンパ節は19か所取って検査したとのことでした。
その結果、転移は見つかりませんでした。
この言葉を聞いたとき、心の中で大きく息を吐いたような感覚がありました。
そして、これらの結果から、状況は、
ステージ IA
という説明でした。
今後の治療については、特に抗がん剤治療などは行わないとのことでした。
これからは定期的に検査を行い、5年が経つまでは主治医の先生が経過を確認してくれるという話でした。
その説明を聞いた瞬間、肩に入っていた力がふっと抜けたような気がしました。
癌と告知されてから、検査、内視鏡手術の中止、外科手術、入院、退院、仕事復帰。
ずっと緊張した状態が続いていました。
もちろん、これで完全に安心というわけではありません。
再発の不安がゼロになるわけでもありません。
それでも、転移が見つからなかったこと。
抗がん剤治療を行わず、経過観察になったこと。
この2つは、私にとって本当に大きな結果でした。
次回の診察は2か月後になりました。
それまで頻繁に通っていた病院から、ようやく少し距離を置ける。
そう思うと、晴れやかな気持ちになりました。
ちなみにこの頃は、術後3週間ほどでした。
手術の影響で声はまだガラガラで、食事もおそるおそる食べている状態です。
そしてこの日、ようやくお風呂の湯船に入る許可ももらいました。
診察を終えて病院を出ると、治療がひとまず大きな区切りを迎えたように感じました。
ただ、実際にはこれで全部が終わったわけではありません。
食事の苦労。
体力の低下。
声のかすれ。
術後の生活の変化。
そして、再発への不安。
治療が一段落したあとにも、向き合うことはたくさんありました。
その話に入る前に、次回は少し、癌と告知されたときの心境について書いてみようと思います。
その次には、気になる人も多いと思うので、治療にかかったお金の話も書いていきたいと思います。

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