検査の日々:もしかしたら、また何か見つかるのではないかという不安

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外科の初診を受けた翌日から、私は3日間連続で大学病院に通い、手術に向けた検査を受けることになりました。

正確な順番までは覚えていませんが、この3日間で受けた検査は、たしか次のようなものだったと思います。

血液検査。
心電図。
肺活量の検査。
造影CT検査。
大腸カメラ。
X線レントゲン。
バリウム検査。

内視鏡手術で処置する予定だったものが、直前で中止になる。
その予定外の出来事を一度経験してしまったことで、私はすべての検査に対して必要以上に不安を感じるようになっていました。

「また何か見つかったらどうしよう」
「転移が見つかったらどうしよう」
「別の病気まで分かったらどうしよう」

検査を受けるたびに、頭の中では悪い想像ばかりが膨らんでいきました。

その中でも、特に緊張したのが、造影CT、大腸カメラ、そしてバリウム検査でした。

まず不安が大きかったのは、造影CTです。

消化器内科で内視鏡手術を予定していた頃に、造影剤を使わないCT検査は一度受けていました。
そのときの結果は、転移は見受けられないというものでした。

ただ、それから約3週間が経っています。

「もし、その間に癌が進行していたら」
「造影CTで検査精度が上がったことで、今まで見つからなかった転移が見つかったら」

そんなことを考えてしまい、不安がどんどん広がっていきました。

しかも、検査は急きょ予定を入れてもらったものだったため、午前中に別の検査を受けたあと、午後までかなり待つことになりました。

その待ち時間もつらいものでした。

病院の外に出て時間をつぶそうとしても、検査前なので食事ができるわけでもありません。
水だけを飲みながら、ただ病院の周辺をぶらぶら歩き、時間が過ぎるのを待つしかありませんでした。

何かをして気を紛らわせることもできず、頭の中では悪い想像ばかりがぐるぐる回っていました。

造影CTの検査中も、落ち着きませんでした。

「造影剤を入れると、体がぽかぽかしてきますからね」

そう説明されたのですが、私にはそのぽかぽかする感覚がありませんでした。

すると、検査の途中で造影剤がうまく入っていなかったらしく、やり直しになりました。
それ自体は検査として必要な対応だったのだと思いますが、そのときの私には、そんな小さな出来事まで不安をあおる材料になっていました。

次に不安だったのは、大腸カメラです。

検査を受ける前にいろいろ調べてみると、大腸癌は日本人に多い癌のひとつであること、また50歳以上で大腸カメラを受けるとポリープが見つかる人も少なくないことを知りました。

人生で初めての大腸カメラです。

「もしポリープが見つかったら」
「もし悪いものだったら」

そう考えると、不安でいっぱいでした。

検査当日は朝早く起きて、病院でもらってきた下剤の容器に水を2リットル入れ、それを何回かに分けてゆっくり飲んでいきました。

この下剤を飲むのがきつい、という話は事前に聞いていました。
そのため、恐る恐る飲み始めました。

ただ、私の場合は普段から便秘気味というより、どちらかというとお腹がゆるい方です。
飲み始めて30分ほどすると、飲んでいるそばからお通じがあり、1リットルほど飲んだ頃には、ほぼ透明な状態になっていました。

念のため1.5リットルまで飲んで、準備は完了しました。

聞いていたよりは、ずっと楽でした。

病院に着くと、いよいよ本番の大腸カメラ検査です。

内視鏡センターに到着し、検査着と、お尻の部分が開いた紙パンツのようなものに着替えました。

そして検査室へ向かいます。

検査室には、内視鏡手術を担当する予定だった先生が待っていました。
横になると、お尻に薬を塗られ、

「検査を始めます」

と言われて、内視鏡が入っていきました。

検査は、まず大腸の一番奥まで内視鏡を入れ、そこから抜きながら観察していく流れのようでした。

お腹の中をむずむずとカメラが進んでいく感覚があります。
一番奥まで到達すると、先生が、

「それでは戻ってきますね」

と言い、そこから本格的な確認が始まりました。

モニターには、自分の大腸の中が映っています。

きれいなピンク色に見えました。
でも、それが正常なのか異常なのか、私にはまったく分かりません。

緊張で、体に力が入っていたと思います。

「専門家の目には、素人には分からない違いが見えているのだろうな」

そんなことを考えながら、モニターを見ていました。

途中、先生が何か所か写真を撮っていました。
それだけでも不安になります。

「今の写真は何だろう」
「何か気になる場所があったのだろうか」

そんなふうに考えてしまいました。

やがて内視鏡が抜け、検査は終了しました。

検査後、先生から説明がありました。

「憩室はありますが、他に大腸の異常はありません」
「ポリープもありませんので、食事をとってもらっても大丈夫です」

その場で結果を聞くことができたので、大腸カメラについては少し肩の荷が下りました。

次に不安だったのが、バリウム検査です。

50歳を過ぎれば、バリウム検査は何度も受けたことがある人も多いと思います。
私も、健康診断などで何度も経験しています。

ゲップを我慢する苦しさも知っています。
検査の途中で追加のバリウムを飲まされることがあることも知っています。

ただ、今回のバリウム検査は、いつもの健康診断とは違う不安がありました。

予約時間の10時に検査受付へ行き、検査着に着替えます。
そして検査室に入りました。

そこでまず思ったのは、

「さすが大学病院だな」

ということでした。

これまで受けてきた健康診断のバリウム検査とは違い、検査室も大きく、機械もかなり本格的に見えました。

通常どおり、発泡剤とバリウムを飲んで検査が始まりました。

しかし、ここからが不安でした。

何度も何度も、同じような撮影を繰り返します。
少しずつ角度を変えながら、体の向きを変え、また撮影する。
その繰り返しでした。

検査時間は1時間以上かかりました。
バリウムのおかわりも、3回ほど飲んだと思います。

検査室の外では、先生たちが画像を見ながら何か話しているのが見えました。
それも、ものすごく不安をあおります。

「何か写っているのだろうか」
「普通より時間が長いのではないか」
「だから何度も撮り直しているのだろうか」

そんなことばかり考えていました。

検査が終わったあと、検査をしてくれた先生と看護師さんに、

「長くて、すごく不安でした」

と正直に伝えました。

ただ、返ってきた言葉は、

「お疲れさまでした」

というものでした。

もちろん、その場で詳しい説明ができないことは分かっています。
それでも、そのときの私には、その返事さえまた不安を大きくするものに感じてしまいました。

この週に受けた検査結果は、翌週の水曜日の2026年4月16日に、外科の診察で聞くことになります。

これだけ検査を受けたのだから、あとは手術日を決めて前に進むだけ。
どこかで、そんなふうに思っていました。

でも、そう簡単には進みませんでした。

このあと聞くことになる検査結果は、私が想像していたものとは少し違っていました。

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